地震大国日本。地盤状況に起因する主な住宅建築物被害には以下のような原因が考えられます。
1:盛土地盤及び盛土下の軟弱地盤の沈下
(1)厚い軟弱地盤への盛土 (2)平坦地への盛土
(3)傾斜地への厚さの異なる盛土 (4)敷地内で切土と盛土にかかる場合
2:地震時の砂質地盤の液状化による沈下
特に1であげた地盤に対する『地盤改良』への実地調査として宅地敷地内で行なう調査でもっとも一般的な調査が【スウェーデン式サウンディング試験】となります。
- ▼スウェーデン式サウンディング調査
- 1.スウェーデン式サウンディング試験とは?
2.調査の特長
3.具体的な調査内容
4.補完する調査試験(標準貫入試験)
1.スウェーデン式サウンディング試験とは?
住宅地盤の強度を調べるのに最も普及している試験方法です。土の硬軟または締まり度合いを判断するとともに軟弱層の厚さや分布を把握することができます。
試験の概要は、 スクリューポイントを取り付けた専用のロッドを鉛直に立てます。ロッドの頭部に段階的に所定の荷重(最大1kN(100kg))を載荷して、各載荷段階の貫入量を測定します。1kN(100kg)の荷重を載荷しても貫入しないときはロッドを回転させて地中にねじ込み貫入させて、25cm貫入するのに要する半回転を測定します。
ボーリング調査に比べ安価で、調査箇所数が多くできることが長所です。しかし、ボーリング調査のように土を目視観察することはできません。軟らかい粘性土や締りの緩い砂質土の厚さや分布を把握することに適していますが、岩盤や良く締まった砂質土・礫質土では貫入不能になってしまうことがあります。
2.調査の特長
先端のとがった右ねじれの合金鋼製スクリューポイントを付けたロッドを地盤に対し垂直に立て、円盤状のおもり(1000N≒100kg)を載せ、おもりの自重及びロッドを介してスクリューポイントを回転させた際の地盤に対する貫入量を測定することにより、地盤の締まり具合を調べる試験です。
適用地盤:粘性土・ゆるい砂質土などの主として軟弱地盤
限界深度:10m
○試験が地盤試料の採取もかねており地盤状況の把握に適している。
・地下水位の把握
・緩い砂地盤の液状化の判定などに使われる試料が得られる
○ボーリング孔の先端部分での試験のため試験器具が地盤からの抵抗を受けにくく試験精度が高い
○締まった層の連続性を調べるのに適している
▼搬入、作業スペースがある程度必要になる
▼エンジン、試験時のハンマー打撃音の騒音がある
3.具体的な調査内容
1. 鉄の棒(ロッド)の先端に円錐形をねじったようなスクリューポイントを取り付け、それを地面に垂直に突き立てます。
2. ロッドには、自由に上下させたり途中で固定もできる受け皿(クランプ、重さ5kg)を通し、さらに上端には水平に取っ手(ハンドル)を取り付けておきます。
3. クランプに円筒形のおもり(10kgのおもり2枚と25kgのおもり3枚)を1枚ずつ静かに載せていき、1枚載せるたびに、ロッドが下方に沈むかどうかを観察し、記録します。
(注) スクリューポイントとロッドにかかる荷重は段階的に5、15、25,50,75、
100kgとなります。
4. 全てのおもりを載せるとクランプの重さと合計して100kgになりますが、その際、
ロッドの沈み込みがなく静止している場合には、ハンドルを回転させ、先端のスク
リューポイントで土を掘進しながら強制的にロッドを貫入させ、ロッドを25cm貫入
させるのにハンドルを何回転させたかを記録します。
(注) ロッドの長さは最長で1mなので、貫入させるに従い、おもりの受け皿となるクランプが地面に着いてしまい、それ以上貫入させることができなくなります。そこで、おもりとハンドルを一旦はずし、新たにロッドを継ぎ足した後、ハンドルを装着し直した上でクランプを所定の高さまで引き上げて、再度、3と4の作業を繰り返します。
(注) ハンドルの回転数は、180度(半回転)を1回とカウントします。すなわち、360度回せば2回となるので、記録は「半回転数」という表記になります。
5. 規定の深度(後述)までの貫入が記録できた時点で測定を終了し、ロッドを引抜きます。
6. ロッドを引抜いた後の、直径が3cmほどの測定孔を利用し、孔が土で目詰まりしていない限り、メジャーで地下水位を計測・記録します。
全自動式は、一般にロッドの継ぎ足しを除くと、荷重制御/自沈判定/データ記録などを全て自動化した装置ことをいいます。手動式の手順に準して実施することが必要です。ただし、荷重の制御機構や自沈判定基準、データ記載方法は装置毎に異なるので、装置の特性を事前に把握しておくことが重要です。
ちなみに、半自動式は、主としてロッドの回転力を機械化したものです。人力による回転力を付与する必要はありませんが、重錘荷重の上げ下ろしは人力で行い、自沈判定や荷重増減の判定目視により判断することになるので、どちらかといえば手動式に近いものです。
半自動式の場合は、手動式の手順に準じて実施することが必要です。作業の安全性の観点から荷重をブレーキで操作ができる機能をもたせたものもありますが、測定時にはブレーキをかけずに荷重を正確にロッドに伝えることが重要です。また、半自動式と標準貫入試験を組み合わせた装置も開発されています。
4.補完する標準貫入試験(原位置試験)
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