1.ボーリング調査とは?
建設工事における設計・施工のための地盤調査として最も一般的に行われているのがボーリング調査です。その対象は、トンネル、ダム、橋梁基礎などから河川堤防、港湾施設、空港施設などまで、さらに高層ビルなどの建築構造物も含め多岐にわたっています。
ボーリングの目的は土や岩を観察することにより地層の構成を明らかにするとともに、サンプリングや原位置試験などを実施するための孔を提供することにあります。下の表にサンプリングや原位置試験の実施に必要なボーリング孔の孔径を示します。
2.ロータリー式機械ボーリング
機械ボーリングは調査地域の土質構成ならびに土質工学的特性や地下水状況等を把握することを目的として実施する。
掘進
掘進にはロータリー式試錐機を用いる。掘進口径はφ66mmとし、基本的に自然地下水を確認するまでは無水掘りを原則とする。地下水確認後は状況に応じ送水掘進とする。また孔壁の崩壊防止、泥水の循環のためφ86mmケーシングを必要に応じ挿入する。また孔内水平載荷試験、不撹乱資料の採取等を実施する場合は必要に応じて所定深度までφ86mm、φ116mm等の口径で掘進し、各々適切な口径、深度までケーシングを挿入するものとする。
3.ダウンホールPS検層
ダウンホールPS検層は,ボーリング地点における縦波(P-Wave)および横波(S-Wave)の速度分布を測定するものであり,ボーリング孔内に3成分受振器(上下1成分,水平2成分)を設置した状態で,地表面において弾性波動を発生させ孔中受振器でその波を観測する.
一般に地表面になんらかの衝撃を与えると,地盤には圧縮変形およびせん断変形あるいはねじり変形が生ずる.圧縮変形は縦波(疎密波)として地中を伝わり,せん断あるいはねじり変形は横波(せん断波)として伝わる.縦波は横波より伝播速度が大きく受振点に最初に到達するので,縦波をP波(Primary Wave),横波をS波(Secondary Wave)と呼ぶ.
孔中受振器の設置深度を孔底から地表まで順次移動しながら地表面で発生させたP波,S波を観測する.各深度における測定の伝播時間と伝播距離の関係から,弾性波速度(Vp,Vs)を算出することができる.
4.土質ボーリング
土質ボーリングで行なう各現場は以下の通りです。
・土木構造物基礎 ・道路、橋梁
・土地造成 ・上下水道管渠 ・老朽溜池堤防
・河川堤防 ・地下水 ・防災、地震時の液状化
・地盤改良 ・遺跡 ・ダム湖底堆積物
・埋め立て ・地すべり ・廃棄物処分場
※粘土などの比較的軟らかい土を対象とします。
【構造物の基礎設計】の上流に位置し、以下の工程ですすみます。
▼土質柱状図作成→土層の区分→推定断面図
▼標準貫入試験→支持層基礎形成選定→地盤の支持力計算
▼サンプリング→室内土質試験→土質諸定数の決定(土質の判別)
▼孔内水平載荷試験→横方向地盤反力係数/変形係数→土質諸定数の決定
▼各種原位置試験(現場透水試験/PS検層・電気検層)→透水係数/弾性波速度→土質諸定数の決定
5.地質(岩盤)ボーリング
地質(岩盤)ボーリングで行なう各現場は以下の通りです。
・ダム ・トンネル ・原石山 ・土木・建築
・道路、林道、橋梁 ・地下水 ・地すべり
・急傾斜地 ・治山砂防 ・石油・LNG地下備蓄
※比較的硬い対象物(岩土)を対象とします。
【土木地質情報設計定数】の上位に位置し、以下の工程ですすみます。
▼コア採取→コア観察→地質柱状作成→推定断面図
→室内岩石試験→岩石の物理的(力学的)性質→岩盤区分
▼孔内原位置試験→電気検層→定性的地層の良否→岩盤区分
→速度検層→硬軟の度合→岩盤区分
→孔内水平載荷試験→岩の変形特性→岩盤区分
→温度検層→湧水。透水箇所→岩盤区分
→湧水圧試験(ルジオンテスト)→透水係数→岩盤区分
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